9Axis ユニット(9軸センサー)とは
Quad SATには高性能9軸センサーが搭載されています。これにより安定船首方位検出を可能にします。それでは各センサーの働きをご説明します。
3軸ジャイロセンサー
機能:ジャイロセンサーは角速度(回転速度)を検出するセンサーです。これをX,Y,Z軸の3軸に搭載しています。
働き:風 波等の外部からの影響で急に姿勢を乱された時に船首方位を自動補正します。また、ジャイロデーターを積分処理する事により船体の角度や方向をロックする事ができます。
3軸加速度センサー(Gセンサー)
機能:加速度を検出するセンサーです。地上では常に下向きに重力加速度が働いています。他2軸(X、Y方向)の移動時の加速度を検出します。
働き;船体の傾きの検出、水平の検出。停船時の船首方位線が波の上下動でふらつくドリフトの防止を制御します。
3軸地磁気センサー(電子コンパス)
機能:地磁気を検出して絶対方向を検出します。船体が傾いても正確に方位を検出できる3軸の地磁気センサーを搭載しています。
QZSS DGPS搭載によって地磁気偏差を座標値から読み出してリアルタイム補正しています。
働き:このセンサーと他のセンサーデーターとの高精度演算により統合制御を可能にします。
マルチGNSSシステム
Quad SATはカーナビのテクノロジーと経験を使って設計されています
GPS、GLONASS BEIDOUを含む複数のGNSSシステム利用可能
QZSS補強信号なしの誤差も2m以内と従来を大きく上回る高精度を実現しています。
10HZデータ更新
Quad SATは1秒間に10回 10HZの座標データー更新します
現在1秒間に1回しか更新していない座標信号が1秒間に10回座標/進行方位更新の最新のDGPSになります。時速3.6kmまで10cmの誤差で記録可能です
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50CHマルチGPSシステムレシーバー
GPS、GLONASS、Galileo¹QZSS¹ Beidouを含む複数の全地球的航法衛星システムを追跡することが可能。この中から最も受信状態のいい衛星をえらび最大50CHのGPSから座標計算を行います
100万通りの相関計算をおこなうことでQZSS補強信号なしの誤差も2m以内と従来を大きく上回る高精度を実現しています
※GPSを定点に設置して測位したとしても測距誤差(大気、電離層、受信環境などさまざまな要因があり)測位の位置点は散らばります。
これらの散らばりの点の平均位置までの距離を二乗平均して平方根をとったものがDRMS。
平均値の2倍 2DRMSが位置精度の誤差の目安とされています。
高速データ更新ができること
現在多くのGPSプロッターはGPS情報更新速度が1秒に1回でしかありません。
GPS情報更新速度が1秒に1回の場合 秒速1mの移動速度ではじめて1mの誤差になります。
秒速1mの移動速度は時速に変換すると3.6km つまり時速3.6km以下でないと1m以下の精度は実現できないことを意味します。
実際のアイドリング航行で時速3.6km以下で航行は有りえません。
Quad SATは1秒間に10回 10HZの座標データー更新します
秒速10mの場合1秒間に10回データ更新し10m÷10回=1m間隔で座標を取得します。
秒速10mの移動速度は時速に変換すると36km つまり時速36km以下であれば1m以下の精度が実現できること意味します。
実際の釣行で時速36km以下で航行探査記録は十分可能です。
QZSS運用開始後には最低1秒間に5回以上のデータ更新が可能なGPS受信回路の処理速度が必要です。これはGARMIN GPSMAP/GPSMAP Plus/AQUAMAP/ECHOMAP/ECHOMAP Plusシリーズは対応済みです
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※GPSを定点に設置して測位したとしても測距誤差(大気、電離層、受信環境などさまざまな要因があり)測位の位置点は散らばります。
これらの散らばりの点の平均位置までの距離を二乗平均して平方根をとったものがDRMS。
平均値の2倍 2DRMSが位置精度の誤差の目安とされています。
その他
NMEA0183(VER2.0)高速(38400BPS)入力可能な機器なら全て接続可能です
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ホットスタートと補助スタートのための最初の修正時間が1秒未満
-160dBmのSuperSense®捕捉およびトラッキング感度
KickStart機能を搭載してモジュールの信号の起動を高速化
妨害 乱反射に対する高い耐性、高度な妨害抑圧機構、イノベーションRFアーキテクチャを採用しています
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※QZSS 平成30年4月より運用開始
http://www.sankei.com/politics/news/161231/plt1612310009-n1.html
※QZSS 準天頂衛星システム
日本版GPS(衛星利用測位システム)として、日本のほぼ真上(準天頂)を周回する準天頂衛星と静止衛星の計7基で構成し、平成35年度の完成を目指す。電波が高層ビルや山岳などに妨害されにくく、測位精度も現在の誤差5〜10メートル程度から最高で誤差6センチ程度まで大幅に向上する。測位データを利用するには、システムに対応した製品が必要となる。
ヘディングセンサーや外部アンテを選ぶ場合の留意点
静止状態で船首方向が確認できる高速磁気ヘディングセンサー
GPSの船首方位は、進行方向の2点間から船首向きをを計算して表示しています。船舶が停止状態では、正しい船首を示すことが出来ません。Quad SATは衛星情報と磁気によって1秒間に10回方位データ更新する10HZヘディングセンサーです、停船状態でも正確な船首を素早く表示します。ボートが潮や風で流された場合、ヘディングセンサーで船首方向、GPSから得た自船の位置情報から流される方向を示します。流し釣りに欠かせないアイテムです。このヘディングセンサーは設置場所 使用法によって要求性能が変わります。選定の留意点をご説明します。
NMEA2000よりもNMEA0183で運用したほうが便利
GARMIN GPSMAP/AQUAMAPを複数台マリンイーサネットワーク運用する場合
ヘディングセンサーや外部GPSアンテナはNMEA0183で運用したほうが便利です
1台のNMEA0183ポートにヘディングセンサーや外部GPS入力した場合は
全ネットワークでイーサネット経由でヘディングセンサーや外部GPSを共有できます。NMEA2000でヘディングセンサーや外部GPS入力する場合は全てのディスプレイのNMEA2000端子にケーブルを配線する必要があり、コストも手間もかかります。
新型Quad SATはコストも安い
ヘディングセンサーHD-10DI+外部アンテナQZS-50S 2つの合計価格は43000円+消費税です。
新型Quad SATは HD-10DI+外部アンテナQZS-50Sの性能に加えて電子ジャイロと磁気偏差自動補正機能 強化32V電源が含まれて
40000円+消費税
NMEA2000ネットワークスターターキットが要らない分の価格は抑えられて導入しやすくなります。
さらなる高性能
POINT-1やHD-10のヘディングセンサーは磁気コンパスタイプです
このタイプは水平に設置してはじめて正確に動作します。船が揺れている状態では地図オーバーレイしたレーダー画面や地図画面は
常に揺れていました。今回9軸センサーで補正するQuad SATヘディングセンサーを発売しました。10hzの高速ヘディングを船の傾きや揺れを補正して出力します。地磁気偏差も自動補正してQZSS マルチGNSSで精度1.1mを実現しています。
安定して正確なヘディングとGPS精度を得られる次世代高性能GPSヘディングジャイロセンサーです
注意:磁気の影響
外部GPSアンテナはGPS精度サブメーター時代が到来すると振動子の真上に設置することが必須になります。
外部アンテナとしてQuad SATは便利ですが問題が起きることがあります。
アンテナを設置する場所は振動子の近くのエレキやエンジンやパワーポールの近くに設置する必要がありました。Quad SATはヘディングセンサーと磁気コンパスとGPSが一緒になっているので、エレキやエンジンやパワーポールの近くは磁気を発生させてQuad SATを誤作動させるケースが有ります。
このような場合には根本解決作としてヘディングセンサーとGPSアンテナを別々の場所に設置する必要があります。
ヘディングセンサーHD-10DIもしくはQuad SATと外部アンテナQZS-50Sを別々に設置してください。これでヘディングセンサーは磁気の影響を受けない場所に設置して外部GPSアンテナのみ振動子の真上に設置できQZSSのサブメーター精度を十分に発揮できます
注意:ECHOMAPCHIRP SV2台設置の場合
この場合2台でポイント共有を行うのがNMEA0183になります。NMEA0183に外部アンテナQZS-50SやHD-10DIを接続するとポイント共有ができなくなります。
ポイント共有はNMEA0183
外部アンテナ/ヘディングセンサーはNMEA2000対応機器を使用する必要があります
NMEA0183→2000コンバーターを使うとQuad SATを使用可能です。